コクと心地良いしびれ 美人麻婆豆腐合盛り 美人麻婆豆腐の店 逢縁喜園(足利)

下野新聞
2022年3月5日

 「美人」をうたう麻婆(マーボー)豆腐に引かれ、弁天様が描かれたのれんの店を訪ねた。二枚看板は四川風黒麻婆と広東風赤麻婆。じっくり悩んだ末、黒麻婆を白米と焼き中華麺で楽しめる「美人麻婆豆腐合盛り」(930円)を頼んだ。

 香り高いあんは、甜麺醤(てんめんじゃん)のコク、中国山椒(さんしょう)「花椒(ほあじゃお)」のしびれが心地いい。国産豚肉と横浜市内で仕入れる香辛料など10種以上の食材で作るといい、後味に果物の甘みを感じる。白米はもちろん、香ばしい麺との相性も抜群だ。赤唐辛子にオイスターソースのうま味が効いた赤麻婆も人気。赤黒いずれも、甘口に対応できるという。

 店は一昨年11月、都内などで長年中華の腕を磨いた椎名裕(しいなゆたか)さん(52)、陽子(ようこ)さん夫妻が開いた。健康・長寿・美を願って食材を吟味し、主役の豆腐も栄養価の高さから地元「ながくら豆腐店」の木綿を使用。「腸内環境改善」「血液循環促進」といった各食材の効能がメニューに紹介されているのもありがたい。

 美人を掲げるに当たって市内の美人弁天を参拝して弁天様の使用許可を得た。「巡り逢(あ)う縁を喜び合う場所」との願いを込めた店には、夫妻を慕う客の笑顔があふれている。

 ▼メモ 足利市島田町743の1。午前11時半~午後2時半、同5時半~9時(6日まで昼営業のみ)。水曜定休。(問)070・2490・7680。