食材、器まで益子ずくめ 天せいろ 手打蕎麦藤人(そばとうじん)(益子)

下野新聞
2021年12月9日

 水気を切る小さな穴が空いた自家製「陶ざる」に盛られた新そばの香りを楽しみながら、ちょうどよい2ミリ幅の太さの麺を一気にすする。喉越しの良さと十分な歯応え。揚げたての野菜やかき揚げ、エビの天ぷらは、口へ運ぶたびにサクサクと心地よい音がする。「天せいろ」(1100円)は看板メニューの逸品だ。

 東京都内でそば店を営んでいた店主大岡好一(おおおかこういち)さん(85)と長男勝好(かつよし)さん(56)が約20年前に実家のある益子町の現在地に店を構えた。

 益子産のそば粉を使った「二八そば」。天ぷらも地元産と自家栽培の野菜のみを厳選する。さらに天ぷらをのせる器やそばちょこ、薬味の小皿まで、陶芸作家でもある勝好さんの作品という「益子ずくめ」のもてなしだ。

 「地元にこだわった食の提供を開店以来続けています」と勝好さん。そば打ちを勝好さんが担う一方、薄口と濃口しょうゆなどで作る返しを宗田節やさば節を用いただしで割るそばつゆは好一さんが担当する。

 うどん各種も全て手打ち。このほか丼物や「本鴨のステーキ」「板わさ」といった一品料理が楽しめる。今年もあと3週間。年越しそばの生そば(1人前600円)も扱っている。

 ■メモ 益子町七井1407。午前11時~午後7時(6時ラストオーダー)。水曜定休。(問)0285・72・2337。

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