高い完成度、肉軟らか とんかつあじでん ロースカツ定食

下野新聞
2021年10月17日

 「箸でも切れる」。鮮やかな黄色の看板に記された言葉に自負心がにじむ。

 お薦めの「ロースカツ定食」(1380円)をいただく。さくさくの衣、口いっぱいに広がる青森県産の豚肉のうまみと脂の甘さ、そして丁寧に下ごしらえされた肉の軟らかさ。陳腐に「うまいです」を連発する記者に、店主の藤巻傳(ふじまきひろし)さん(64)、妻由起子(ゆきこ)さん(59)の笑顔はどこまでも優しい。

 味わい深いソースは、傳さんが東京で修業した店で使っていたもので「県内ではうちだけ」。キャベツはきれいな山型に盛られており、ソースとマヨネーズタイプの手作りドレッシングを半分ずつかけたくなるのが人のさが。もりもり食べる。さくら市産の米にこだわったご飯とキャベツはおかわり自由で、肉と野菜のうまみが溶け出したコクのある豚汁が付くのもうれしい。

 たれが決め手のショウガ焼きや7時間をかけて仕込むもつ煮定食も人気。清潔感のある店内、由起子さんらの明るい接客、家族経営のアットホームな雰囲気。定食としての完成度の高さはもちろん、20年以上、老若男女に広く愛されてきた理由がよく分かる。

 ■メモ 宇都宮市下戸祭2の20の6▽営業時間 午前11時~午後2時、午後5~9時▽定休日 水曜日▽(問)028・625・2939

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