《食いこ》旬野菜使い30種類 キムチ屋仁(ひたちなか市) 和風だしで食べやすく

茨城新聞
2021年5月1日

茨城県ひたちなか市にある「キムチ屋仁」は酸味と辛味を抑えた食べやすさが売りのキムチ店。店主の清田仁良(まさみ)さん(49)宅敷地内に6畳ほどの店を構える。一歩足を踏み入れると、「こんにちは」と元気のいい声で清田さんと長女の茉衣子(まいこ)さん(22)が出迎えてくれた。

長女の茉衣子さん(左)と清田さん。ショーケースには豊富な種類のキムチが並ぶ

ショーケースの中には、白菜やキュウリなどの定番から、アスパラやタケノコといった、旬の野菜を使ったキムチ約30種類が所狭しと並ぶ。いずれも100~140グラムで190~350円とリーズナブル。種類は常連客のリクエストに応えたり、さまざまな野菜でキムチ作りに挑戦したりするうちに増えていったという。「パクチーなど、癖のある野菜が意外とキムチに合うこともある。まだまだ未知数」と清田さんは笑う。一番人気は、キュウリとニンジン、大根をみじん切りにした「ぶっかけ」(約100グラム190円)。ご飯だけでなく納豆や豆腐にも合う。

キムチ液は塩麹やかつお節、いりこだしを使った和風の味わい。「作りたてを食べてもらいたい」とのこだわりから、漬け置きはしないため、浅漬けで酸味は少ない。複数の唐辛子をブレンドして控えめな辛さになるよう調節し、「子どもからお年寄りまで幅広い方に食べてもらいたい」と気持ちを込めたキムチはマイルドで食べやすいと好評だ。

キムチ作りを始めたのは約15年前の2006年ごろ。当時、清田さんが通っていた日立市のキムチ店が閉店すると聞き、「引き継ぐような形でやりたい」と店長に打診。弟子入りして本場韓国のキムチ作りを一から教わった。

独立してからは、友人知人を中心に注文販売と配達を開始。口コミなどで徐々に注文数が増えたことから13年9月、店を開いた。これまで1人で店を切り盛りしていたが、今年3月からは大学を卒業した茉衣子さんが加わった。「仕事について考えていくうちに、(清田さんの)店で働くことが幸せなんじゃないかなと思うようになった」と茉衣子さん。清田さんは「一緒にやりたいと言ってくれてうれしかった」と厨房(ちゅうぼう)に立つ娘の背中に目を細める。

人気のキムチは完売することがあるため、事前予約がおすすめ。ネット販売もしている。

お出かけ情報
キムチ屋仁
▼住所はひたちなか市高場4の15の18
▼営業時間は午前10時~午後7時まで
▼定休は月-水曜
▼(電)029(219)6811

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