地場食材をバスク流に イワナのパエリア クーリルージュ(宇都宮) 

下野新聞
2022年8月24日

フランス・バスク地方で修業したシェフ石川資弘(いしかわもとひろ)さん(49)が2011年、故郷宇都宮に戻り開業した店。「栃木でしか食べられないもの」にこだわり、季節ごとによりすぐった地場食材をバスク仕込みの調理法で提供している。

ジュージューと音を立てながらテーブルに運ばれてきたのは「イワナのパエリア」(1700円、夜のみ、9月上旬まで)。奥日光育ちの稚魚を取り寄せ、夏限定で提供している。

イワナの稚魚なんて、めったにお目にかかれない。両手を合わせて一口頂くと、繊細で軟らかい食感と淡泊な風味が広がった。

一緒に炊いたのは米ではなく、もち麦と押し麦のブレンド。一粒一粒に、優しい塩味とうまみが染み込んでいる。この正体は何だろうと考えていると…。

「生ハムでだしを取ったんです」と、石川さんが教えてくれた。生ハムをそいだ後の骨を煮込んだもので「バスクではよく使われているんですよ」。

生ハムは自家製。ほかにも蜂蜜やワインづくりにも取り組んでいる。食材は自らの目で確かめて調達。まさにここでしか味わえない料理を堪能できる。

■メモ 宇都宮市新里町丙33の2。午前11時~午後3時、午後6~9時。要予約。火曜定休。(問)028・678・8848。