「ゆうだい21」快進撃 コメ品評会 受賞続々 宇都宮大開発 うま味強く 好バランス

下野新聞
2022年1月3日

 宇都宮大が開発したコメ「ゆうだい21」が、全国の品評会で快進撃を続けている。静岡県で開かれた国内最大規模の品評会で最高賞の金賞19点のうちに5点が入り、茨城県であったコンテストでも上位3位を独占した。農家の間で“受賞請負品種”と評判が広がる。

 水戸市内のホテルで昨年12月に開かれた「いばらき米の極み頂上コンテスト」最終審査会。料理人ら8人が味や香りを評価した結果、ゆうだい21が1~3位を独占した。

 応募総数は108点。品種はコシヒカリ94点、ゆうだい21が4点、ミルキークイーン2点などだった。1、2次審査はコメの成分からおいしさなどを機器で数値化。ゆうだい21は4点全てが最終審査の6点に残った。審査員長を務めた水戸京成ホテルの野沢康雄(のざわやすお)総料理長(55)は「うま味が強くバランスが良い。粒の中までしっとりしている」と絶賛した。

 味を競う国内最大規模の品評会「米・食味分析鑑定コンクール」でも受賞数が増えている。最高賞の国際総合部門金賞は例年15点ほどが選ばれる。ゆうだい21は2014年に1点が入り、昨年11月は過去最多の5点が獲得した。

 同大によると、ゆうだい21は国立大が開発した初の水稲新品種として10年、農林水産省に品種登録された。現在全国で約270軒の農家が栽培する。作付面積は11年度の約100ヘクタールから20年度の216ヘクタールへ倍増した。ここ1~2年で栽培を始めた農家も多いという。

 「各種品評会での受賞率が年々高まっている」。栽培技術の指導などに取り組む同大農学部付属農場の高橋行継(たかはしゆきつぐ)教授(61)は手応えを口にする。同大はコシヒカリの生みの親の故石墨慶一郎(いしずみけいいちろう)さんも輩出しており「米といえば宇大と知ってほしい。農家と栽培技術を共有し、おいしい米で地域に貢献したい」と話している。