幸せオーラ 心も満たす 【学生記者が行く 県南いいね散歩】「程よく田舎」のレトロカフェ

下野新聞
2021年10月17日

 前回、足利市から始めた県南散歩、今回はJR佐野駅から出発しよう。佐野厄よけ大師の方へと、県道67号線に出る。歩道に点在する銅像がみんなマスクをしてコロナ対策は万全だなと思いながら歩いていると、レトロでアメリカンなお店が現れた。看板には「WAFFLE COFFEE」、店のガラスには大きく「SLOW POKE」の文字。インスタ映えの予感で扉を開けると、店内はメニュー以外は日本語表記が一つもないのに、どこか懐かしい。そしてカウンターの向こうには、幸せオーラあふれるマスターがいた。県南の「いいね」な人や場所を訪ね歩くこのコーナー、今回はここで決まりだ。

■「人がいい」

 早速、店名通りワッフルを注文してみた。「多くの人は2人で分けるんですよ」と店員さんがアドバイスをくれるほど大きいのに、ふわふわでペロッと完食(詳しい食レポと写真は、インスタグラム参照!)。母国の味を求めて来店する外国人の常連さんや私たちのお父さん世代の人もいて、客層は幅広そうだ。

 写真は勘弁して、という控えめなマスターは、今から5年半前、この地に店を開いたという。千葉県から脱サラし移住先に佐野市を選んだ理由は、「程よく田舎で気持ちにゆとりを持て、何より人がいい。ここでの未来が見えた」から。特に、引っ越す前から気に入り通っていた「福伝珈琲店(ふくでんこーひーてん)」の店主さんが空きテナントを紹介してくれたことが、決め手の一つになった。「WAFFLE COFFEE」はそこで開業し、福伝珈琲店の自家焙煎(ばいせん)コーヒー豆を使用しているそう。もう、完全に地元密着だなぁ。

■ラフに会話

 訪れるお客に美味(おい)しい物を振る舞うだけでなく、海外のカフェのように「元気?」とラフに会話してお客さまが幸せになれるカフェでありたい、とマスター。「そのためには自分が幸せであることが大切。だから若者には、誰かのために生きるのではなく、自分のために生きてほしい」と笑顔で私たちに語ってくれた。

 人も自分も幸せになることに時間をかける「SLOWPOKE」(「のろま」の意味)は、生き方としていいね! なんて思った昼下がりでした。

■一口メモ 外国にいるような気分
 食後、ゆっくりしていると、「甘さは大丈夫でしたか?」と店員さん。味、雰囲気、ホスピタリティ…、コロナ禍で行くことが難しい外国に、ひととき居るような幸せな気持ちを味わえた。

 マスターは、福伝珈琲店の店主さんを兄のように慕っているという。両店の距離は、間に駐車場と建物1軒を挟むだけという近さ。地元の人もどちらに行くか迷うほどで、私たちはもちろん両方行ってみた。詳しくはインスタで!

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