チョコレート店開店 宇都宮 障害者の就労・自立支援へ

下野新聞
2021年10月17日

 【宇都宮】チョコレートの製造・販売を通じて障害者の就労を支援する「久遠チョコレート宇都宮店」が16日、桜2丁目にオープンした。市内で訪問看護事業などを手掛ける「在宅支援ネットワーク」が運営。商品の加工や包装など、障害の有無や程度に応じて選べる仕事を用意する。関係者は「チョコレートが社会の多様性について考えるきっかけになればいい」と話している。

 久遠チョコレートは、愛知県豊橋市の一般社団法人ラバルカグループが障害者の社会参加と自立を目指して全国で展開する。宇都宮店は、在宅支援ネットワークと同法人がフランチャイズ契約を結んで営業する。

 在宅支援ネットワークは精神障害者向けの訪問看護も実施している。最高経営責任者の内藤秀満(ないとうひでみつ)さん(52)は「障害者の就労のきっかけとなる場をつくりたかった」と出店理由を説明する。

 宇都宮店は、障害などの影響により雇用契約を結んで働くことが難しい人の就労訓練を行う「就労継続支援B型事業所」の適用を受ける。県内のB型事業所で2020年度に支払われた工賃の平均月額は約1万6千円。同店は比較的利益率が高いチョコレートで、月額2万~3万5千円の工賃支給を目指すという。

 主力商品は世界各国のカカオを使ったチョコレートにドライフルーツやナッツを混ぜたテリーヌ(税抜き230円)。内藤さんは「まずは純粋にチョコレートを楽しんでほしい」と来店を呼び掛けた。

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