屋外飲食スペース人気 茨城県内ホテル、誘客へ割引プランも 3密防止に換気不要
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3密防止や換気の必要のないビアガーデンなど屋外の飲食スペースが人気だ。需要減に苦しむ飲食業にとっていかに感染防止対策をしながら集客につなげるかが悩みだが、感染リスクが低いとされる屋外スペースにホテルや商業施設が注目。新たにバーベキュープランの導入や例年より宿泊料金を割り引いたプランをPRするなど誘客の取り組みを強めている。
つくば市吾妻の「ホテル日航つくば」は今月1日から開始したビアガーデン会場を昨年までの本館カフェテラスから、ホテルに隣接した駐車場に変更した。会場面積は広くなったが、感染防止対策として席数は約半分の150席とした。
料理はバーベキューが中心だが、焼き台1台につき焼く担当を一人に限定したり、各自に取り箸を配ったりと感染防止を意識してもらう工夫をしている。ビアガーデン利用者には、割安で泊まれるプランを用意し、新型コロナの打撃を受ける宿泊の利用も促す。同ホテル担当者は「県内の人にもたくさん来てほしい」とアピールする。
今年3月に星野リゾートが運営するサイクリングホテルが開業したJR土浦駅ビルの「プレイアトレ土浦」(土浦市有明町)には屋上に3年ぶりにビアガーデンをオープン。同施設では「開設は迷ったが、屋外飲食の需要増やお客さんの要望を受けて決めた」と経緯を話す。
水戸市宮町の「ホテルテラスザガーデン水戸」は6月26日からビアガーデンをスタートし、コロナ撃退の願いを込めた1人5670円(税込み)の特別プラン「コロナゼロ」を展開。ニンニクやタマネギ、タコなどの免疫力を高めるとされる食材を使い、感染予防のため料理を一人ずつ盛り付けて提供する。利用者の約7割がこのプランを選んでいるという。
会場は、屋外の中庭で例年の半数近くの約30席に減らし、グループ間のソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保した。会社の同僚と訪れた水戸市の会社員女性(29)は「開放的で3密を避けられる空間だったのでここを選んだ。安心して楽しめる」と話した。
同ホテルの海野勝人総支配人(51)は「コロナ禍だからこそ外の利用が増えていくと思う。感染リスクを避けながら楽しんでほしい」と力を込める。
同市宮町の「ホテルレイクビュー水戸」は、3階の屋外スペースから、通りからよく見える1階レストラン前の屋外に場所を変え、誘客を狙う。気軽に楽しめるビールとつまみのセットのほか、新たにバーベキュープランも開始予定で、家族層の取り込みも図りたい考えだ。