香りと喉ごし楽しめる 海老天せいろ 藤茂登(ふじもと)(宇都宮)

下野新聞
2022年3月23日

 せいろに美しく盛られた細めの麺はみずみずしく、豊かな香りとつるつるとした喉ごしが楽しめる。このそばに加え、エビや野菜の天ぷらが付いた「海老天せいろ」(1400円)が店の1番人気だ。

 「おいしいそばは原材料が九分九厘」と断言する店主藤田好正(ふじたよしまさ)さん(66)は、茨城県産の「常陸秋そば」をメインにその時々の出来のいいソバを使う。これを石臼で自家製粉し、手打ちのそばを提供している。

 天ぷらは衣が薄めでさくさくとした食感が際立つ。綿実油で揚げており、胸焼けしにくいのが特徴という。野菜もできる限り地元産のものを使っている。

 藤田さんは店の3代目。大学卒業後に「藪蕎麦(やぶそば)御三家」の一つである東京都の「池の端藪蕎麦」(現在は閉店)で3年弱修業を積み、実家に戻って店を継いだ。当初は同じ宇都宮市の西大寛1丁目に店を構えていたが、10年ほど前に今の場所へ移した。

 移転を機に女性や子どももくつろげるように窓を大きくし、明るい雰囲気の店となるよう意識したという。藤田さんは「お子さんや若い方にも食べていただき、本物のそばの風味や喉ごしを感じてほしい」と呼び掛けている。

 ■メモ 宇都宮市下金井町514の4。午前11時半~午後2時半、同5~8時(ラストオーダー7時半)。23日は臨時休業。木曜定休。水曜が休みの場合もある。(問)028・665・9678。