継承へ専用エリア 伝統釣法「テンカラ釣り」 日光・小来川地区の黒川 漁協と住民連携し開設
【日光】小来川(おころがわ)地区の地域活性化などを図るため、黒川漁協と地域住民らでつくる「小来川の日光テンカラをつなぐ会」は1日、同地区を流れる黒川で「テンカラ釣り」専用のキャッチ&リリース(C&R)エリアを新設した。テンカラ釣りは毛針を使った伝統釣法で、魚へのダメージが少ないとされる。同漁協専務理事の大塚守(おおつかまもる)さん(69)は「魚を守りながら釣り人に訪れてもらい、地域が盛り上がれば」と話している。
同地区はかつて、テンカラ釣りの名人がいるなどテンカラ釣りが盛んだったが、近年は地元でもほとんど知られていない。魚の数も減り、釣り客の減少が課題となっていた。
そこで、テンカラ釣りを新たな地域資源にしようと同会が発足。黒川の出居橋から大滝までの約2キロ区間をテンカラ釣り専用のC&Rエリアにすることにした。
先月25日には、関係者らがヤマメの放流や看板の設置などオープンに向けた準備を行った。同漁協や同会のほか、昨春に男鹿川でテンカラ釣り専用区間を開設したおじか・きぬ漁協三依支部のメンバーらも駆け付け、計約20人で作業。生態追跡調査を行うため脂鰭(あぶらびれ)と呼ばれる部分を切除したヤマメ約1500匹の放流や案内看板の設置などを行った。
大塚さんは「初めての取り組みなので、まずはテンカラ釣りのエリアがあることを知ってほしい。おじか・きぬ漁協にアドバイスをもらいながら工夫していきたい」と話した。
専用区間の利用は9月19日まで。一般遊漁料は当日券2千円(年間券7千円)。(問)大塚さん090・8807・3341。