ガラスで「花園」表現 「ガレとドーム」展 茨城県陶芸美術館
茨城県笠間市笠間の県陶芸美術館で、企画展「北澤美術館名品展 エミール・ガレとドーム」(茨城新聞社など後援)が開かれている。19世紀末のアール・ヌーボーを代表するガレとドーム兄弟のガラス工芸品を一堂に展示。草花や昆虫などに目を向けた繊細で美しい「ガラスの花園」が、巧みな技法で表現されている。5月8日まで。
展示は国内屈指の所蔵を誇る北澤美術館(長野県)から厳選した、両者のガラス工芸品約100点。それぞれの初期から晩年までの名品を中心に出品されている。
少年の頃から植物採集に親しんだガレは、幕末に海を渡った日本の工芸品に影響を受け、個性を開花。今展にも出品される「菊にカマキリ文月光色鉢」では、ガラス工芸でそれまでなかった薄青色の「月光色」を取り入れ、高く評価された。また、1900年のパリ万国博覧会出品モデルの「水仙文花瓶」なども展示。ガラスを駆使した豊かな色彩表現が楽しめる。
ガレに続いて活躍したドーム兄弟の作品では、四季の変化を特徴的に捉えたシリーズが人気。春を表す「花畠文〈プレリアル〉」は淡いピンクの空間に草原の緑や小花が咲き誇り、ガラスの中に別世界が広がっている。
北澤美術館主席学芸員の池田まゆみさんは、両者の技法について「どの作品も日本人に親しみやすい。美しいガラスの花園を楽しんでほしい」と話していた。
午前9時30分から午後5時。月曜休館(3月21日、5月2日は開館。3月22日は休館)。一般840円、70歳以上420円、高大生630円、小中生320円。