「米ゲル」活用、ご飯缶詰 河内の企業開発 非常食、常温でもおいしく

茨城新聞
2021年5月3日

コメと水からつくる食品素材「米ゲル」と茨城県河内町産米を使った炊き込みご飯の缶詰が完成した。農機メーカー、ヤンマーの関連企業で、町内の農家も携わる「ライステクノロジーかわち」(同町長竿)が全国で初めて開発。米ゲルを加えることでご飯の軟らかさを保つことができ、常温でも食べやすいという。町は災害用非常食として約1万缶を購入。同社は、ほかの自治体にも提案したい考えだ。

米ゲルは、炊いたコメを高速でかき混ぜて製造する。小麦粉やゼラチンの代わりとなり、乳化剤や増粘剤のような使い方もできる。

町が購入した缶詰はしょうゆ味と塩味の2種類で、サケフレークや町産米を使用。炊飯時に米ゲルを混ぜ、素材の味わいを変えずにしっとりとした食感を維持している。賞味期限は製造から3年間。ラベルには町のイメージキャラクター・かわち丸が描かれた。

2016年設立の同社は米ゲルの生産拠点として町の旧学校給食センターを活用し、「ライスジュレ」の商品名で販売している。開発に当たっては、町職員らも試食などで協力。缶詰は同町への納品が第1号となった。

施設を無償貸与するなどして支援を続けてきた雑賀正光町長は「食べやすいしおいしい。河内のライスジュレも大々的に宣伝できる」と強調した。同社の土屋邦保社長は「地元に缶詰を納められてうれしい。各市町村にも紹介していきたい。コメの消費拡大にもなるはず」と語った。

缶詰について同社は今後、市町村のご当地米でつくる非常食として提案していく方針。問い合わせは同社(電)0297(63)5588

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