ボタンやシャクヤク見頃 つくば牡丹園、CF募る 美しい自然守りたい 

茨城新聞
2021年5月3日

ボタンやシャクヤクの名所「つくば牡丹園」(茨城県つくば市若栗)が、新型コロナウイルス“第4波”の懸念が高まる中で今年も開園した。彩り豊かな花が見る人の心を和ませるが、昨年の来園者は例年の3割に激減。巻き返しを図る今年も東京などに緊急事態宣言が発令され、厳しい状況が続く。徹底した感染対策に加え、ギャラリー開設など運営を工夫。インターネットで運営資金を募るクラウドファンディング(CF)も行い、園の維持に協力を求めている。

同園によると今年は4月17日に開園。ボタンは早咲きが満開で、これから遅咲きが見頃を迎える。シャクヤクは例年より早く開花し、最盛期はこれから2週間という。

園内には800種約6万株のボタンやシャクヤクが咲き誇る。開園は花の盛期に合わせており、年間1カ月余り。昨年は開園時期に緊急事態宣言が発令。閉園の可能性も視野に入る中、悩んだ末に感染対策をして開園することにした。

ただ、PRを控えたこともあり、来園客は7割減、収益も9割減と大きく落ち込んだ。同園では農薬を使わず、牧場の馬ふんたい肥や酵素を使う農法で花を育てており、人件費や資材費もかさんだ。

コロナ対策として、受付や屋外休憩所に消毒液を置き、職員はマスクを着用。カフェは屋外のみの営業に変えた。来園者が多いときは入場制限も行う。

さらに、花のアートや写真を展示するギャラリーを新たに開いた。来場者には小さな額を貸し出し、額に合わせて花の写真を撮れる新しい鑑賞方法も提案している。

関浩一園長(60)は「園内は密にならず、森に囲まれているので免疫力も上がる。安心して散策を楽しめる工夫をしていきたい」と語る。

CFの目標額は100万円。寄付額によって返礼品を用意する。関園長は「美しい自然環境を守る一助にできれば」と話していた。開園は23日まで。

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