《食いこ》季節味わう和菓子のカフェ 菓匠にいつま(水戸市) 17日から彼岸おはぎ

茨城新聞
2021年3月17日

ひな祭りのひなあられ、端午の節句のかしわ餅など、季節の年中行事や祝い事を彩る和菓子。かりんとうまんじゅうや大福が人気の「菓匠にいつま」は水戸市に店を開いて50年以上になる。昨年10月、店舗近くに和のテイストあふれるカフェ「菓匠にいつまhanare」を開いた。

店長の新妻優友さん(27)はじめ若い世代がカフェを切り盛りする。石を取り入れ木をふんだんに使った温かみのある店内は、座敷やテーブル、カウンターが設けられている。「純日本風ではない和カフェ。小さい子どもさん連れなら畳で、1人ならカウンターと、いろいろな場面でくつろいでほしい」と話す。

目を引くのは四季折々の風情を表現する上生菓子。和菓子職人の高橋若菜さん(27)が週替わりで2種類を作る。埼玉県出身の高橋さんは、優友さんと製菓の専門学校の同級生。都内の和菓子店に6年勤めた。「新しい土地で自分の技術が通用するのか挑戦したかった」と水戸に来た。

3月のある週の上生菓子は練り切りで、桜の花びらの形をした「ひとひら」と野原に舞うチョウをイメージした「春の野」。タイトルとなる菓銘も情緒豊か。一目で気分が華やぐ。「日本らしい季節の移り変わりを感じてほしい。色合いは、冬ははっきり、春はやわらかくと季節で変えている」と高橋さん。

季節の上生菓子

どら焼きは、注文を受けてから皮を焼く。北海道産小豆の自家製あんを挟み、出来たてを提供する。栗入りやバター入りなど5種類。あんが苦手な人に配慮し洋菓子も用意する。和菓子に合う飲み物にも力を入れる。煎茶や抹茶、和紅茶のほか水戸産の梅「ふくゆい」のドリンクも。コーヒーは「上品な和菓子の甘さを邪魔しない豆を選んだ」(優友さん)。

一方、店では17日から21日まで、春の彼岸のおはぎが並ぶ。もち米はやわらかめにふかし、あんで包む。おはぎは春秋の彼岸やお盆以外は注文を受けて作る。

優友さんの父で、社長の新妻則夫さん(53)は「カフェをオープン後、和菓子の良さが見直されているようで、店の方にも和菓子を買いに来る若い世代が増えた」と頬を緩めた。

■お出かけ情報
菓匠にいつま
▼水戸市堀町2160の5
▼営業時間は午前8時~午後7時
▼定休は月曜
▼(電)029(251)8772

菓匠にいつまhanare
▼水戸市堀町2160の3
▼営業時間は午前9時~午後6時
▼定休は月曜
▼(電)029(297)6385

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