上品な脂、まるで生食感 牛タン刺し えんてんか(栃木)

下野新聞
2020年10月6日

 1人ずつおしぼりを手渡し、空いたジョッキと皿に気付くとさっと追加オーダーを尋ね片付ける。スタッフによる最高の心遣いが行き届いた温かい空間だ。

 ついつい酒が進んでしまうが、料理も絶品ぞろい。中でも「牛タン刺し」(税別780円)は「他の店ではなかなか味わえない」と店一押しの一品。ネギとタマネギを細かく刻みごま油などであえた特製あんと共に頬張れば、凝縮された肉のうま味が口の中に広がる。焼いたタンとは一風違う、さっぱりした上品な脂で、“淡々”と箸が進む。

 鮮やかなピンクが映え、刺し身のようだが刺し身ではない。低温調理器で70度、約80分じっくりゆでることで柔らかい口溶けを生み、生食のような感覚を生み出している。

 「えんてんか」は2005年に柴山修一(しばやましゅういち)代表(41)が創業。現在は日向野美咲(ひがのみさき)店長(25)を中心に若いスタッフたちが切り盛りしている。新型コロナウイルスの影響により客足が遠のく中でも、テークアウトやランチ限定でラーメン店としてオープンするなど「若いパワー」で乗り切ってきた。

 日向野店長のモットーは「誰もがいつでも行きたいと思える場所」。そんな心遣いと絶品タンに“たーんと”元気をもらった。 

 【メモ】栃木市平柳町1の15の8。午後5時~午前0時(金、土曜は3時)。小山、壬生にも店舗を構える。(問)0282・24・3639。

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