福を射止める 寒空に放物線 日光二荒山神社「武射祭」
下野新聞
2020年1月6日
日光市中宮祠の日光二荒山神社中宮祠で4日、室町時代から続く新春の伝統行事「武射祭(むしゃさい)」が行われた。神職ら21人が1年の無病息災を祈って白羽の矢を勇壮に放った。
武射祭は、男体山の神と群馬県の赤城山の神が領地を巡って戦場ケ原で争った際、男体山の神に加勢した弓の名人が、赤城山の神の化身である大ムカデの目を射抜いたという故事に由来する。
社殿での神事の後、境内の上神橋(かみしんきょう)に舞台を移した。白装束姿の中麿輝美(なかまろてるみ)宮司が「やあー」という威勢のいい掛け声とともに、赤城山の方角にある中禅寺湖へ向けて矢を放った。神職や県弓道連盟の役員も続いた。
福を招くという矢を拾った参拝客は、神社で開運のお守りを付けてもらい破魔矢として持ち帰った。両親と初めて参拝したという宇都宮市下砥上町、大学1年小林龍生(こばやしりゅうき)さん(19)は「弓を拾えて幸運でした。自宅の神棚に供えます」と笑顔を浮かべた。
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