山盛り膳、残さず食べろ 鹿沼「発光路の強飯式」

下野新聞
2020年1月6日

 国の重要無形民俗文化財で正月恒例の「発光路(ほっこうじ)の強飯式」が3日、鹿沼市上粕尾の発光路公民館で行われた。

 室町時代から続くとされ、日光山輪王寺の「日光責(ぜめ)」の流れをくむ。人間界を訪れた神仏をごちそうでもてなす儀式で、現在は地域の平和や繁栄を祈願している。

 太鼓の音を合図に地元住民扮(ふん)する豪華な衣装の山伏と太いわらたすきを巻いた強力が、山盛りのお膳を前にした氏子ら参列者に「酒なら33杯、湯が5杯、強飯75膳がお定まり。1粒1菜の許しはないぞ」と責め立てた。さらにひれ伏す参列者の首を二股の責め棒でしっかり押さえ付け、手荒く新年を祝った。

 例年、強力の口上も世相を反映しており、佐藤信(さとうしん)市長には「台風19号の被災からの一日も早い復興を」。昨年結婚、今年の「花婿」として参列した同市口粟野、介護士石川智也(いしかわともや)さん(28)は「近頃子どもが少ない。どんどんつくれよ」と迫られ「緊張しました。明るい家庭を築きたい」と話した。

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