平和願い「全て食え」 恒例、鹿沼で強飯式
下野新聞
2018年1月4日
国の重要無形民俗文化財に指定されている「発光路(ほっこうじ)の強飯式」が3日、鹿沼市上粕尾の発光路公民館で行われた。新たな年の始まりに、地元住民らは地域の平和を願った。
日光山輪王寺の「日光責(ぜめ)」の流れをくむ古典的な強飯行事。人間界を訪れる神仏にごちそうを振る舞う儀式で、室町時代から行われていると伝わる。
高く盛られた飯などが並ぶ会場に、地元住民が扮(ふん)した山伏と強力(ごうりき)が登場。列席者に「酒なら33杯、湯が5杯、強飯75膳がお定まり。1粒1菜の許しはないぞ」と大声で迫り、二股の木の棒で首を押さえつけた。
同市中粕尾出身の女性と昨年結婚した宇都宮市在住の会社員小野寺克仁(おのでらかつひと)さん(43)が本年の花婿として参列。強力は口上で「近頃、子どもが少ない。どんどん産むよう励むがよい」と迫った。小野寺さんは「子どもを授かれるよう良い一年にしたい」と笑顔で話した。
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