平磯海水浴場の「大ちゃん」、海に戻る 開設控え1年ぶり 茨城・ひたちなか

茨城新聞
2021年7月15日

新型コロナウイルスの影響で昨年、海水浴場が開設中止となり海岸に引き上げられていた平磯海水浴場(茨城県ひたちなか市)の滑り台「くじらの大ちゃん」が13日、1年ぶりに海上の“すみか”に戻った。生みの親の一人で市観光協会平磯支部の磯崎順三支部長(81)は「見慣れた光景が戻ってきてうれしい」と喜んだ。市は22日から8月22日まで、平磯と阿字ケ浦の2海水浴場を2年ぶりに開設する。

同海水浴場のシンボルは全長約15メートル、高さ約2.3メートル、重さ約5トンの強化プラスチック製。昨年は市内全ての海水浴場が開設されず、大ちゃん目当ての客が来る恐れがあるとして昨年7月14日に陸上に引き上げていた。

この日は住民が見守る中、1時間半ほどかけて業者が重機で大ちゃんをつり上げ、約80メートル沖合の定位置に固定した。

大ちゃんは1983年、磯崎さんら住民が設置を企画。平磯に来たいと思ってもらえる物を造ろうと、クジラの形を選んだという。どんな天候でも目立つよう朱色にし、愛くるしい表情や滑り台が人気を呼んだ。名前は子どもたちから募り、当時甲子園で活躍していた早稲田実業高の荒木大輔投手にちなんでいる。

「自分の子どものようなもの」と大ちゃんを愛する磯崎さん。昨年は子どもたちから「何で陸にいるの?」と言われ、つらかったと振り返る。

磯崎さんは「感染対策に注意しながら、大ちゃんのいる海水浴場で楽しく遊んでほしい」と期待した。

地図を開く 近くのニュース