連休初日、慎重に 大洗サンビーチ海岸「海水浴できず寂しい」 屋外閑散、商業施設は活気 茨城県内の観光地

茨城新聞
2020年7月24日

4連休初日「海の日」の23日、茨城県内は雨や曇りの悪天候となった。屋外の観光地は閑散としたが、屋内の商業施設は多くの買い物客でにぎわった。新型コロナウイルスの感染が再び拡大する中、観光客は人との距離に気を配りながら、それぞれの休日を楽しんだ。一方、商業施設関係者からは、密集回避のため積極的に誘客できないもどかしさを訴える声もあった。

大洗町の大洗サンビーチ海岸は、悪天候の影響もあり客足がまばらだった。新型コロナウイルス感染防止のため、町は海水浴場開設を中止。23日から8月23日までサーフィンを除き海に入ることを禁止し、公営駐車場の有料化や一部閉鎖を実施している。

有料開放した第2サンビーチ駐車場と大洗海浜公園駐車場(計3千台収容)の同日の利用台数は、計275台で空きが目立った。海岸の入り口には、禁止行為を記した看板を設置。緊急時に初動対応する海岸巡視パトロール員10人がパトロールセンターに待機した。

海岸の南側はサーフィン専用エリアとして開放。サーファーや砂浜で遊ぶ親子連れの姿が見られた。

休日に親子でサーフィンに来るという守谷市の会社員男性(45)は「普段の日曜と比べても人が少ない」と指摘。長男(8)は「冷たいけど楽しい。今日は波に乗れた」と笑顔を浮かべた。

毎年、家族で同海岸に訪れるという埼玉県の会社員男性(35)は「今年初めての海。海水浴ができないのは少し寂しい」というが、「今は外出しにくい状況。ここなら他の人と離れていて安心」とも話した。

町商工観光課の担当者は「連休が始まったが、どれくらい人が出るか見えない。自分の命は自分で守り、海水浴ができないことに留意した上で来てほしい」と呼び掛けた。

 

■雨中の緑楽しむ 筑波山

つくば市の筑波山では、雨の中、家族連れたちが登山や展望台からの景色を楽しんだ。

女体山頂付近では、観光客らが登山道を歩きながら、すがすがしい空気や雨にぬれた緑を楽しんだ。友人と訪れた牛久市、会社員、女性(31)は「コロナの影響で自粛していたので、登山は今年初めて。久しぶりで空気が気持ちいい」と笑顔を見せた。

つくば市筑波の筑波山ロープウェイ女体山駅では、訪れた人たちが展望台から眼下に広がる雲や森林を眺めた。家族と訪れた行方市、市立玉造小1年、山口真結美さん(7)は「初めて来た。雲の上の景色ってこんなにきれいなんだ」と感嘆の声を上げた。

 

■海の幸求めにぎわう 日立・道の駅 密意識、誘客ためらいも

海に程近い日立市みなと町の「道の駅日立おさかなセンター」は、新鮮な魚介類を購入したり、海の幸に舌鼓を打つ行楽客でにぎわった。駐車場には他県ナンバーの自動車も見られた。

古河市の青木充さん(67)は県の宿泊促進事業「いばらき応援割」を使い、夫婦で北茨城市内のホテルに泊まった帰りに立ち寄ったという。「地元のいいところを再発見できた。店内が混んでいるので、魚を買って家でゆっくり味わいたい」と家路を急いだ。

家族4人で海鮮丼を堪能した土浦市の会社員、藤田勇気さん(32)は「連休は県内で、子どもと安全に楽しめる場所を選びながら過ごす」と話した。

海鮮問屋「あかつ水産」同センター店の船橋幸二店長は「例年よりは少ないが、多くのお客さんが来てくれた。ただ、密になるのを防ぐため、あまり呼び込みはできない」と複雑な表情を見せた。

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