低カロリー「102(とおふ)カツ」 おから使用、食物繊維たっぷり 小沢食品(那珂市)が販売開始 

茨城新聞
2021年4月14日

豆腐製造販売の小沢食品(茨城県那珂市向山、小沢幸也社長)は、おからとこんにゃく粉で作ったカツ「102(とうふ)かつ」を発売した。食物繊維が豊富で、衣もおからを使用。揚げ物だが、糖質を含まず低カロリーで食べられる商品として食品スーパーの総菜向けに販売を開始した。高齢化などによる消費不振で豆腐の市場規模が縮小傾向にある中、豆腐製造の過程で生まれるおからを使った加工食品の開発に力を入れていく。

「102かつ」は、おからとこんにゃく粉を練り込み下味をつけ、衣はおからのみを使用。食感や味は肉に近づけた。

当面は業務向けを想定し、4月から販売を開始。店頭の参考売価は1枚200円(150グラム)程度を想定する。冷凍で賞味期限は約半年。冷凍するとこんにゃくの食感が変わるため、素材の割合や温度管理を工夫した。

同社によると、同商品はヒレカツと比べてカロリーが約半分で、食物繊維がゴボウの1.4倍(約100グラム当たり)含まれる。食物繊維はおからに含まれる不溶性とこんにゃくに含まれる水溶性の2種類を取ることができるといい、開発に当たった小沢拓也取締役営業部長は「腸内環境を活性化する特徴がある。おからのすごさを広めていきたい」と話す。

同社は、消費や豆腐価格の低迷対策として、付加価値のある加工食品に取り組んできた。豆腐など冷蔵品だけでなく、賞味期限の長い商品を作るために常温や冷凍品を強化する狙いもある。小沢営業部長は「豆腐店の件数は年々減少している。生き残りの製品として豆腐と両輪で売っていきたい」と力を込める。

大豆を使って肉と同じような味や食感にした加工品が欧米を中心に広がりを見せる中、将来は米国などに輸出したい考えだ。同社は「健康にも良く、お肉を食べられない人も楽しめる。ソースカツで食べるのがお勧め」(小沢営業部長)としている。