変わらぬ味、香り 「新天地」に笑顔 足利の屋台カフェ「アラジン」 営業場所を移転、再出発

下野新聞
2021年10月12日

 【足利】市民会館解体に伴い移転を余儀なくされた屋台カフェ「アラジン」が10日、元の場所から南約300メートルの旭町の学習塾駐車場に移転した。

 移転先は学習塾「開倫塾日本語学校」北側に隣接する駐車場。45年前からカフェの常連という同塾長林明夫(はやしあきお)さんが約1年半前から「困ったらぜひうちを使って」と提案していた。駐車場は約330平方メートル。敷地奥の屋根付きスペースに屋台を構え、周囲にテーブルといす4セットを並べた。手前には車5、6台が駐車できる。

 早速訪れた常連客は、「雨が降っても大丈夫だね」「最高」などと新たな環境を歓迎。オイルランプがともるなじみの雰囲気の中、変わらぬコーヒーの香りと味を堪能した。

 店を営む阿部哲夫(あべてつお)さん(77)、次郎(じろう)さん(72)兄弟も客の笑顔に安堵(あんど)した様子。次郎さんは「リヤカーを保管でき、水場があって公衆トイレも近い。恵まれた環境に移れてありがたい」と感謝していた。

 屋台は1971年、中東航路の船でコックだった兄弟の父弥四郎(やしろう)さんが始め、今年9月16日に50年を迎えた。市民会館と足利女子高の敷地が2023年度までに新足利高として整備される計画に伴い、約2年前から移転先を探していた。

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