酒が進む絶妙な焼き加減 【県南グルメ 今夜のごちそう】(84)ぽっろコース 炭火焼鳥ぽっろ(小山)

下野新聞
2020年2月25日

 繁華街で焼き鳥の匂いに誘われ、のれんをくぐる。サラリーマンならこんな経験が1度ならずあるのでは。食通の友人が「本当は教えたくないんだけど」と言い渋ったこの店は、繁華街からは少し離れているが来る価値は十分にある。

 動物性タンパク質を含まない飼料で育てた岩手県産の「菜彩鶏(さいさいどり)」を、備長炭で丁寧に焼き上げた。味付けは静岡県産の塩とタレ。どの部位を食べてもうまいが、初めてなら串8本と焼きおにぎり、鶏白湯スープがセットになった「ぽっろコース」=写真、ビールは除く=をお薦めしたい。これで2200円(税別)は、かなりのお得感だ。

 オーナーの山井宏一(やまいこういち)さん(61)は「焼き鳥は味の濃さと歯応えで決まる」と言う。菜彩鶏はもも肉のうまさに定評があるそうだが、個人的にはレバーとササミが絶品だった。焼き加減がとにかく絶妙で酒が進む。食べるペースに合わせて料理を出してくれるのもうれしい。

 都内の大手飲食店で長年料理人として腕を磨いた。イタリアンのシェフだったこともある。50歳になったのを機に、妻の実家に近い小山市で独立開業した。22日で開店10周年を迎える。店名の「ぽっろ」はイタリア語で鶏肉の意味という。

 【メモ】小山市城東5の12の23。午前11時半~午後1時半、午後5時半~10時。火曜定休。(問)0285・25・4818。

地図を開く 近くのニュース