《キャンプを楽しもう》OKUKUJI BASE CAMP(茨城・大子町)

茨城新聞
2022年8月23日

■「ソロ向け」に環境整備 自然満喫、仕事の場も

水戸から国道118号を北上し、久慈川沿いにある「OKUKUJI BASE CAMP」(茨城県大子町袋田)。道沿いからは茶色い建物が目印となる。家族向けが多い中、ソロキャンプと、ワーケーションの環境が整ったおひとりさまで楽しむ「ソロ向け」キャンプ場だ。

静かな空間で瀬音を感じながら自然と向き合える=大子町袋田

 

 

同キャンプ場は7月下旬にプレオープンした。9月末には、たる型の貸し切りサウナ「バレルサウナ」などが登場し、正式にオープンする。運営するのは、アウトドア専門店「ナムチェバザール」(水戸市)。和田幾久郎社長(54)は「ここは久慈川が抜群に美しい場所。瀬の音など自然の素晴らしさが存分に感じられる」と、同所に施設を造った理由を話す。

久慈川の河原には最大50テントが張れるスペースがあり、星空の美しさや、自然の雄大さが感じられるよう、テント付近まで車の乗り入れはしない。河原を歩いてみると、鷲の巣山を背に涼やかな瀬音が聞こえてきた。和田社長は「県北の山は植林が多いが、鷲の巣山は原生林で貴重」と、ロケーションの魅力を話す。

同キャンプ場には、個人でたき火を楽しめるほか、石造りの「ファイヤーピット」がある。たき火の音やぬくもりが感じられる、キャンパー同士の交流の場として設けているそうだ。

キャンプ場としては珍しく、旅先などで働きながら休暇を取る「ワーケーション」ができるのも特徴的。仕事スペースがある管理棟「センターハウス」は木のぬくもりに包まれ、テレワークに便利なWi-Fiも整備されている。窓越しに自然を眺めながら、リラックスして働ける空間が広がる。「あえて造った。日常と非日常の差が大きいほど感動が大きくなる」(和田社長)。管理棟のカフェでは正式オープン後、奥久慈の食材を使った軽食やスイーツなどを堪能できるという。

釣りの拠点として連泊していた、ひたちなか市の会社員男性(40)は「静かな空間で楽しみたかった。ロケーションがとても良い」などと語った。

和田社長は「茨城は手軽に自然が楽しめる。新しいライフスタイルを生み出す拠点として、気軽に利用してもらえたら」と呼びかけた。

 

■インフォメーション

住所…大子町袋田3708の1/利用料(1日)2200円。1泊2日は4400円。レンタル品あり(別料金)。申し込みはホームページから(https://basecamp-ibr.com/)。正式オープンまでは不定休。問い合わせは同キャンプ場(電)0295(76)8527。(午前9時~午後6時)

《マナー》ロープワークで安全対策

急な天候の変化から自分や家族の身を守るための心得がある。アウトドア文化の普及を目指す「いばらきアウトドアセッション」の光又新二代表(38)は「2、3種類のロープワークを覚えておくとよい」と、勧める。

まず、幅広い世代でなじみがあるのが「蝶々(ちょうちょ)結び」だ。正式には「本結び引き解け」という。荷物を束ねる時や子どもをおんぶする時、木の枝に固定する時などに使える。

ほかにも、結びの王様と呼ばれる「もやい結び」も習得したい。強度がありながらもほどくのが簡単だ。「キャンプに行く前に覚えて、頭の片隅に入れてほしい」。結び方は、動画投稿サイト「ユーチューブ」などでも紹介されている。