《キャンプを楽しもう》しもはじ埴輪キャンプ場(茨城町)
コロナ禍でキャンプブームが続く。毎月1回、茨城県内各地のキャンプ場を訪ね、その魅力を紹介する。
■荒れ地開拓 里山保全 まきに間伐材 循環促す
広大な里山が整備され、2019年4月にオープンした「しもはじ埴輪(はにわ)キャンプ場」(茨城町下土師)。農畜産物直売所「ポケットファームどきどき茨城町店」から車で数分の小高い場所にある。里山保全をテーマとしたキャンプ場だ。
同キャンプ場は大きく四つに分かれる。栗林を整備したメインキャンプ場「栗の丘サイト」をはじめ、愛犬も自由に動ける「くるみサイト」などもある。運営するのは、主に里山保全活動を行っている団体「NPO環~WA」(大和文子代表理事)。大和代表理事(52)は「ここは荒れ果てた農地と放置林だった。いろんな人に里山に入ってもらい、利活用し、保全や循環につなげていきたい」と思いを込める。
栗の丘サイトは、秋口になると栗拾いが楽しめる。隣のキャンパーを気にせず、ゆったりとくつろげそうな雰囲気が漂う。大和夫妻の住まいがすぐ隣にあるため「『安心して楽しめる』と言ってこのサイトを選ぶお客さまも多い」という。
常連キャンパーが整備したキャンプ場「林間サイト」も特徴の一つ。森に囲まれた林間サイトに一歩足を踏み入れると、静寂さを感じられる。まるで隠れ家にいるような気持ちにさせてくれたり、間伐材で作られたテーブルや椅子が設置されていたりと、開拓した6組12人の思いが感じられる。
月2回、県内のキャンプ場を訪ねている、つくば市在住の団体職員、和田絵里花さん(43)は「コロナ前は海外旅行が好きだったが、今は友人を誘いづらい。非日常が手軽に楽しめる」と、魅力を話した。
同キャンプ場では、森の循環をつくろうとたき火のまきはスギ、ヒノキ、針葉樹など、この地域の間伐材を利用している。また県内では珍しく、じか火が可能な場所が用意されている。ただし、職員から手順や土壌環境の破壊を最小限にとどめる方法など、理論を教わるのが前提。大和代表理事は「楽しみながら、自然界の仕組みを学ぶきっかけになればうれしい」とほほ笑む。(次回は8月21日掲載)
■使いやすいソロ用テント
登山やキャンプ、釣り用品の専門店「WILD-1水戸店」(水戸市元吉田町)では、今春から新登場したソロ用テント「サーカスTCコンフォートソロ」(4万3780円=税込み)が人気を集めている。担当の味岡諒さん(37)は「昨年から1人でキャンプを楽しむ人が増え、使いやすいサイズが登場した。2人用としても使える」という。
生地はコットンとポリエステルの混合素材。たき火の火の粉が飛んできても、穴が開きづらいのが特徴。組み立ては、ペグで本体を固定し、ポールを立ち上げ、綱を張っていく手順だ。「設営が非常に楽」と薦める。問い合わせは同店(電)029(248)5571。
■インフォメーション
住所…茨城町下土師1821/利用料(1泊)…大人1100円、中学生以下550円。フリーサイト3300円(平日は半額)。会員制のため初回のみ大人(高校生以上)1000円、中学生以下500円。レンタル品あり(別料金)。問