市の礎築いた偉人 顕彰 矢板武没後100年記念イベント 27日から 企画展、PRキャラ制作

下野新聞
2022年7月23日

【矢板】斎藤淳一郎(さいとうじゅんいちろう)市長は22日の定例記者会見で、市発展の礎を築いた矢板武(やいたたけし)の没後100年を記念し、矢板を顕彰するイベント「あなたのおかげで今がある~矢板武没後100年だよ!全員集合!」を今月から開催すると発表した。27日に本町の矢板武記念館で収蔵品を公開する企画展をスタートさせる。市の文化PRキャラクターとして「たけりん」も制作した。

矢板は1849年、旧矢板村生まれ。明治初期から大正初期にかけ、政治家や実業家として活躍し、1922年に亡くなった。那須野ケ原開拓に携わった印南丈作(いんなみじょうさく)と共に行った日本三大疏水の一つ「那須疏水」の開発や、今も日本の大動脈となっている国道4号、JR東北本線の開通などに尽力したことで知られる。

矢板武旧宅(同記念館)は、2018年に日本遺産認定された「明治貴族が描いた未来~那須野が原開拓浪漫譚(ろまんたん)」の構成文化財の一つ。顕彰イベントは市民の郷土愛醸成や日本遺産の周知につなげようと、市や市教委などが主催する。第1弾の企画展は8月7日まで。12月10~25日にも内容を変えて企画展を開く。

12月の期間中は、矢板武をテーマに講演会を開くほか、記念館の庭であんどんと和傘のイルミネーションを点灯する。このほか、記念館で市民向けの茶道やコースター作りなどの体験会を開催し、来場を促す。

矢板武をモチーフにした新キャラクター「たけりん」は、市子ども課の渡辺明日香(わたなべあすか)さん(26)のデザイン。今後、市の文化や芸術、文化財のアピールに活用する。

斎藤市長は「新たな資料の展示などで、矢板武の業績が再発見できるような内容にしたい」と話した。