焼き芋、干し芋 人気 宇都宮の阿部さん 本格栽培2年、直売所開設 無農薬/無化成肥料/無除草剤

下野新聞
2022年3月2日

 【宇都宮】「無農薬・無化成肥料・無除草剤」でサツマイモを栽培する阿部英人(あべひでと)さん(43)=上横田町=はこのほど、同所に直売所「アベチャンファーム」を開店し、焼き芋や干し芋の販売を始めた。焼き芋は連日昼すぎには売りきれるほど人気という。阿部さんは「作る人も食べる人も安心してもらえるものを作って良い品物を皆さんに買っていただけるようにしたい」と話した。

 阿部さんは、県農業大学校を卒業した後、花きを生産販売する農業法人で働き、5年前に新規就農した。最初の2年間は借り受けた耕作放棄地を整備し、ホウレンソウやダイコン、トウモロコシといった多品目の野菜を生産していた。

 3年目からは「6次産業化まで考えた時に自分で加工しやすく、日持ちがする野菜」とみて、サツマイモの栽培と干し芋や焼き芋の商品化に取り組み、20年春に本格的な栽培を始めた。

 同年は約4ヘクタールで「紅はるか」「ふくむらさき」「紅茜」といった品種を栽培し、約80トンを収穫した。「安心安全でおいしい野菜を届けるため肥料は植物性肥料にこだわっている」と説明する。

 収穫したサツマイモは加工して直売所で販売するほか、飲食店やスーパーと直接取引している。

 夏場の草刈りなどの作業にはパートを雇用する。誰でも働きやすいように午前9時~午後3時の勤務を基本とし、土日は休みにしている。「パートさんたちを雇用してもしっかりと収益を上げることができる農業を目指したい」と意欲を見せた。