湯ごねでもちもち食感  天ざるそば 徳次郎蕎麦(宇都宮)

下野新聞
2021年11月3日

 田舎そばが食べたくなったら、ここ。

 生地は日光産のそば粉をお湯で練って仕込んでいる。素材本来の風味が楽しめるようつなぎは少なめ。そば粉を打ち粉に使うこだわりようだ。

 平打ちで色濃い麺は弾力があり、もちもちした食感がたまらない。かむほどにそばの香りと甘みが口に広がり、その余韻に浸った。カツオやサバ、昆布などでだしをとったつゆを麺に絡ませるとうま味がさらに引き立つ。

 一押しメニュー「天ざるそば」(1700円)のもう一つの目玉は天然エビの天ぷら。「うちのは食べ応えがあるんです」という2代目岩本良隆(いわもとよしたか)さん(43)の言葉通りのサイズに、口を大きく開けて食らいつく。肉厚なエビは身がぎゅっと締まっていてジューシー。一方でまとっている衣はサクサクと軽く、あっという間に平らげた。

 料理の前にはつゆで味を調えたそば湯を提供しており、栄養素を余すことなく取れるのも魅力だ。

 そんな店には、1977年に初代の父良夫(よしお)さん(71)が創業して以来、地元住民が足しげく通う。7年ほど前に継いだ良隆さん。「そば好きに味わってもらいたい」と伝統を守るべく、今日もそばを打つ。

 ■メモ 宇都宮市竹林町885。午前11時~午後6時。1月1~3日定休。(問)028・625・5053。

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