《いばらき御朱印めぐり》境の伏木香取神社 トンボなど3種類

茨城新聞
2021年10月6日

茨城県境町の閑静な場所にある伏木香取神社(宮本安宮司)。後醍醐天皇の御代(1318-39年)に、千葉県香取市の香取神宮から分霊されたのが始まりで、1383年、現在地に遷座した。

祭神は武神として知られる経津主大神(ふつぬしのおおかみ)。鹿島神宮の武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)とともに、豊葦原中国(とよあしはらなかつくに)(地上の国)の平定に派遣され、大国主神(おおくにぬしのかみ)に国の支配を譲らせる交渉に成功したという説話が残る。そのため、平和と外交の祖神や勝運の神として知られる。

同神社で受けられる御朱印は大きく分けて3種類。旧暦1日の新月と、旧暦15日の満月に合わせて頒布する「月詣(まい)り」と、トンボがデザインされた「トンボ勝ち虫」、五節句など季節の行事に合わせた日付限定の御朱印がある。

伏木香取神社の10月日付限定御朱印

 

月詣りの御朱印は、当日から3日間限定で頂ける。旧暦の新月と満月にこだわった理由について、禰宜(ねぎ)の田所千草さんは「旧暦の方が日本人の季節感に合ってる。季節によって移ろいゆく月を見て、私たちは自然の中で生かされているということを感じてもらいたかった」と話す。当日のみ午後8時まで受け付けているといい、「精神的に集中できるので、夜の参拝もいいですよ」と田所さんはお勧めする。

トンボ勝ち虫の御朱印は、月の数と同じだけトンボがあしらわれた月替わりのデザイン。田所さんによると、トンボは勝ち虫と呼ばれ、後退せず前にしか進まないことから、不転退の精神を表しているという。そのため、同社の御利益である勝運に掛けて授与を始めた。

同町ではさしま茶が名産のことから、「八十八夜」の限定御朱印も用意。ほかにも「日本に古くから伝わる行事や風習を知ってもらいたい」と十三夜や十五夜の御朱印もある。

同社について「小さな神社で素朴なところが見どころ」と田所さん。その親しみやすい雰囲気から、同社は地域の人との距離が近いといい、参拝客らが鉢植えの花や手作りの人形などを「飾ってほしい」と持ってくるという。そんな人たちの作品発表の場を提供しようと、同社では境内でアクセサリーや雑貨など手作りの品を販売する「ふせぎでマルシェ」を4月に開催した。20店舗が出店し、評判も良かったことから10月末にも開催を予定しているという。

田所さんは「神社の良さを知ってほしい。御朱印を楽しみながら参拝のきっかけにしてもらえたら」と話した。

■メモ
アクセス…圏央道坂東ICから車で約15分
住所…境町伏木1(カーナビ検索は同町伏木37)
電話…0280(86)5026
御朱印…片面、見開きともに500円。御朱印帳は3種類で、御朱印が付いて1冊3000円。奉賛金としても使われる。受け付けは午前9時-午後4時。
「ふせぎでマルシェ」は10月31日午前10時-午後3時。雨天中止。

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