笠間稲荷の大鳥居復活 「復興のシンボルに」
東日本大震災による被害などで全5カ所の鳥居が撤去されていた笠間市笠間の笠間稲荷神社で、参道に新たな大鳥居が完成し、記念式典が9日、同所で開かれた。式典には約120人が参加。地元住民や観光客が見守る中、テープカットなどが行われ、鳥居復活を祝った。
完成した大鳥居は鉄骨造り。高さ約10メートルで、門前通りに面した参道入り口にそびえる。同神社伝統の落ち着いた朱色「笠間朱色」に塗られた。3月に着工し、半年以上かけて仕上げた。総工費は約9千万円で、全国各地から集まった寄付金で賄われた。
従来、この場所には高さ約8メートルの御影石製鳥居があったが、2010年10月に中貫部分が落下して撤去されていた。参道に並んでいた3カ所の石鳥居は震災で損壊、木製鳥居も風化が進んでいたことから、11年4月に併せて撤去され、鳥居がない状態になっていた。
式典では、小笠原流礼法にのっとった「蟇目(ひきめ)式」が実施され、柱の間にかぶら矢を通して清めた後、テープカットなどが行われた。
塙東男(はるお)宮司(71)は「寄付、支援いただいた方にお礼申し上げたい。茨城の復興のシンボルになると思う」と話した。大鳥居近くでいなりずし店を営む上地(うえち)勝広さん(65)は「風格のある鳥居が戻ってうれしい。門前通りの活性化につながるといい」と期待を寄せた。
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