コロナ下 新業態好調 前橋のワインバル「Lom」がフルーツ大福 想定3倍の月商 多店舗展開検討
ミカンやイチゴなどを餅で包んだフルーツ大福を販売する「フルーツ大福 果実堂」が好調だ。炭火焼きワインバルを展開する「Lom」(前橋市表町、池下道夫社長)が、コロナ下での飲食店ビジネスが厳しい中で始めた新業態。2月に開店した前橋本店(前橋市西片貝町)に続き、7月に安中店(安中市安中)もオープンした。多店舗展開やフランチャイズ化も検討しており、池下社長は「さらなる挑戦を続けたい」と展望する。
フルーツ大福は餅と白あんで、ミカンやイチゴを丸ごと包んだスイーツ。店舗で手作りしており、1個280~580円。付属の糸で大福を切るとフルーツの鮮やかな断面が出てくるなど、視覚的にも楽しめる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、断続的な営業時間短縮や休業要請でバルの経営が厳しくなる中、池下社長が新業態を模索。果実を丸ごと入れた大福が西日本で注目されていたことや、和菓子店や青果店に勤めた経験がある社員がいたことから発案した。前橋青果市場の卸売業者とも親交があり、新鮮な果実を仕入れられることも決め手となった。餅粉や水の配合比率など試行錯誤を繰り返し、商品を完成させた。
2月に前橋本店を開業すると、イチゴ大福の時季だったこともプラスに働き、想定の3倍の月商を記録。その後も売り上げが堅調だったことから、2号店の出店を決めた。安中店は国道18号沿いの複合商業施設ミサワテラス内に開店し、順調に売り上げている。
8月に催事出店したJR高崎駅ビルの高崎モントレーでの販売も好調で、さらなる多店舗展開を検討する。フランチャイズで出店したいとの話も来ているという。
近く電子商取引(EC)サイトを立ち上げ、果実を使ったゼリーなど新商品の開発も加速させる計画。コロナ下で生まれた新業態での挑戦が続く。
炭火焼ワインバル「Lom」は7年ほど前に前橋市表町に開業。昨年3月に高崎市連雀町に高崎店をオープンした。従業員約30人。緊急事態宣言の発令を受けて2店舗とも休業している。
(宮村恵介)