ジャンボナシ国内外で脚光 シンガポールに販路 だるま包装紙が好評 高崎市
榛名地域で栽培される重さ1.1キロを超える「ジャンボナシ」を売り出そうと、高崎市が力を入れている。シンガポールでの販路拡大を探っているほか、包装紙を使い、だるまに見立てて販売するなどして贈答用の需要取り込みを狙う。1月1、2の両日の高崎だるま市でも“だるまのナシ”を伝統のだるまと並べて販売してPRする。
高崎の農産物をシンガポールで販売するため、市は2019年8月、現地法人の高崎トリニオンを設立。高級飲食店や富裕層などをターゲットに営業活動を続けている。丸くて大きく、金色に似た色合いのジャンボナシは「縁起がいい」と現地で注目されているという。
国内よりも高い1グラム当たり1円程度の価格設定で販売できることも魅力。市はブランド強化や収益増、生産者の意欲向上につながるとして今後も力を入れていく考えだ。
同国の人気俳優で、高崎アンバサダー(高崎PR大使)のジネット・アウさんも一役買った。ジャンボナシ「愛宕」を使ったタルト「アタゴ」を創作し、経営する菓子店で11月に限定販売したところ、千個が即日完売した。
だるまに見立てた販売方法は市職員が19年度に発案。だるまを描いた赤い薄紙でナシを包んでいる。20年のだるま市で初めて販売すると、2日間で200個近く売れた。高崎オーパ内の「高崎じまん」でも赤や白、ピンクの薄紙に包まれたナシを販売している。
高崎じまんでは、「ジャンボ梨コンテスト」(JAはぐくみはるな梨研究会主催)に出品された2キロ前後にもなるナシを今年初めて販売。これまで店頭に並んだナシよりも大きく、注目されたという。
同研究会の富沢邦明さんは「国内、海外に販売の裾野が広がる。市の取り組みに期待しているし、生産者として刺激にもなる」と話している。