《梅の里の再生 秋間梅林の挑戦》加工品開発 規格外活用で新名産
「これまで『B品』とされた梅の単価を上げるための一例になるといい」。秋間梅林(安中市西上秋間)の梅農家、砂岡恵子さん(62)と福田青葉さん(33)は昨夏、同梅林の「白加賀」を使ったジュースを開発、販売を始めた。売れ行きは好調で、今年の製造本数を増やすことに決めた。
これまで水やサイダーで割った手作り梅ジュースを販売していたが、製品としての開発は初めて。表面の傷などが理由で安価だった規格外の梅を活用できれば、農家の収入増につながる。
製造は川場村の農産品加工会社に委託。昨年は1リットル入り(1100円)を40本、180ミリリットル入り(330円)を700本それぞれ製造した。甘酸っぱく、爽やかな味わいが好評になり、市内外のイベントなどで販売すると、すぐに売り切れた。
加工品開発を強化することで、規格外の梅の有効活用と付加価値の創出を狙う。砂岡さんは「安中の新しい名産品を生み出せれば」と期待する。
さらに、今年は梅林にある各売店が、梅を使ったメニュー作りに励んでいる。割り下に梅シロップを使い、梅の風味を楽しめる「すき焼き」、梅を練り入れたうどんなどを開発。新型コロナウイルス感染拡大の影響で梅林の催しは中止になったが、新商品を用意し、例年以上のもてなしをしている。