2年ぶり公演へ再始動 【負けない 新型コロナ】 那須塩原・劇団なすの 活動休止乗り越え絆強く

下野新聞
2021年6月20日

 【那須塩原】市民劇団「劇団なすの」は、新型コロナウイルス禍で昨春から1年間の活動休止に追い込まれ、このほど活動を再開した。10月に2年ぶりとなる定期公演の実施が決まり、団員たちは「那須野の大地」と題した創作劇の稽古に励んでいる。辻元(つじもと)るみ子(こ)代表(68)は「お客さんに会えるのが楽しみ」と意気込む。

 同劇団は2000年に発足。毎年1回の公演を続けてきた。学生や社会人などが団員として所属。下大貫の劇団らくりん座が演技などを指導している。

 昨春以降は新型コロナの影響で公演が中止となるなど活動休止を余儀なくされた1年だった。辻元代表は「劇団への思いが薄れるかと心配だった」と言うが、団員たちはオンラインで劇中歌「那須野の空」を合唱するなどして絆を強めた。

 ここ2年で多くのベテランが退団し、今年の団員数は例年より3分の1ほど少ない約30人となった。

 苦しい事情がある中、劇団としての活動は5月中旬にようやく再開。マスク着用など感染防止対策を徹底し、らくりん座で稽古に励んでいる。今月6日は劇中の踊りの歌と振り付けを入念に確認していた。

 2年ぶりの公演は10月3日、市三島ホールで行う。演目の創作劇「那須野の大地」は、那須野ケ原の開拓時代を描いている。1日2回の上演を予定しているが、感染防止対策として時間は2時間から1時間半に短縮するという。

 辻元さんは「懸命に生きる先人たちの姿を見て、『自分も頑張ろう』と思ってくれたらうれしい」と話している。

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