冷凍うな丼、笠間の店舗が開発 CF販売で医療従事者支援へ

茨城新聞
2021年6月20日

茨城県笠間市笠間の人気うなぎ料理店「量深(りょうしん)」が、電子レンジで手軽に調理できる冷凍うな丼を開発した。新型コロナウイルス感染症治療に関わる医療従事者支援を目的に、クラウドファンディング(CF)のウェブサイトで販売している。店主の馬場万作さん(48)は地域医療に携わる人たちをねぎらおうと、同市立病院(同市南友部)に8日、50食分を届けた。

石塚恒夫病院長(左から4人目)に冷凍うな丼「かさま元気玉」を手渡す馬場万作さん=笠間市南友部の笠間市立病院

 

同店は麦とろの店として1990年に創業。2014年に、東京で知られたうなぎ料理の老舗「田川」から引き継いだ秘伝のたれを使い、うなぎ料理の提供を始めた。国産の最高級を仕入れ、身がふっくらするという紀州備長炭で焼き上げるなど、名店の味を実直に守り続けている。

冷凍うな丼の開発は、馬場さんが今年2月、地域医療従事者に感謝の気持ちを表そうと、店のうな重45食分を同病院に寄贈し職員から喜ばれたことがきっかけとなった。「時代はステイホーム。ご家庭で手間をかけずに本格のウナギを味わってほしい」(馬場さん)。ご飯やかば焼きの量を微妙に調整するなど試行錯誤を繰り返し、先月完成にこぎ着けた。

商品化した冷凍うな丼の名前は、「かさま元気玉」。1食分約120グラムで、価格は600円。ご飯は城里町産のコメを使い、ウナギは馬場さんが自ら備長炭で丁寧に焼き上げた。8月3日まで、CFサイト「マクアケ」で販売される。また、売上金の一部を活用して、新型コロナ感染症治療に携わる医療関係者に冷凍うな丼が届けられるという。

馬場さんは「新型コロナウイルスへの対応が長期化する中、第一線で奮闘する医療従事者には感謝の気持ちでいっぱい。微力ながら元気づけたいとCFでのうな丼の販売に至った。ぜひ購入をお願いしたい」と呼び掛ける。

冷凍うな丼を一足早く贈られた市立病院の石塚恒夫病院長(54)は、「馬場さんの心遣いに職員一同喜んでいる。ワクチン接種業務の励みになります」と笑顔で語っ

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