丸石でつながって 彫刻家の矢作さん建立 ビエンナーレに合わせ神社 中之条

上毛新聞
2021年5月13日

 彫刻家でメキシコ・ベラクルス州立大造形美術研究所准教授の矢作隆一さん(53)=メキシコ在住=が、中之条町にオブジェ「縁石まるいし神社」を建てた。球体状の天然石に神が宿ると考える丸石信仰にちなんだもの。同町のアートイベント「中之条ビエンナーレ2021」の一環で、ゴールデンウイーク中に開催したプレイベント「プレリュード展」に合わせて完成させた。

 オブジェは清見寺(同町中之条町)の北に位置し、同寺が所有する空き地に建立した。丸石は重さ約90キロ。下の台座にも約300キロの石が使われている。いずれも石材店、斎木七郎石材本家(同町)から借り受けた。メキシコのグアダルーペの聖母と地蔵を合わせた柔和な表情の木像や、ハスの花をイメージしたさい銭入れも設置している。

 参拝者が入り口の看板に掲載されているQRコードからスマートフォンなどでアプリをインストールすると、一定の距離内にいる同じアプリが入った人が分かる仕組みも取り入れた。矢作さんは「多くの人に参拝してもらって、互いにつながりを感じてほしい」と話している。(丸山仁見)