春告げる樫棒の音 鹿島神宮 華やかに祭頭祭
茨城新聞
2021年3月10日
鹿行地域に春を告げる鹿島神宮(鹿嶋市宮中)の伝統行事「祭頭祭」が9日、華やかに繰り広げられた。色鮮やかな衣装をまとった囃人(はやしびと)が1年越しに祭頭囃を披露し、五穀豊穣(ほうじょう)と天下太平を祈った。
今年の当番字は約80年ぶりに溝口郷(神栖市)が務めた。昨年は新型コロナウイルスの影響で祭頭囃と春季祭が延期となったため、2年間にわたり奉仕した。
祭頭囃では、約200人が12組に分かれ、太鼓に合わせて樫(かし)棒を打ち鳴らした。例年のように門前町を囃し歩くことはせず、ルートを大幅に短縮。参加者は全員そろいの緑色のマスクを着けた。
コロナ禍の中、開催を信じて準備してきた祭事委員長の仲内清治さん(70)は、祭頭囃を終え「感無量」とひと言。「あまり練習できなかったが、活気があり最高の出来だった」と感慨に浸った。
祭頭祭は毎年3月9日に行われる同神宮最大規模の行事で、1976年に国選択無形民俗文化財に指定された。子どもたちが参加しやすくなるよう、昨年から祭頭囃と春季祭を9日直後の土曜日に行う方針だったが、今年は3密回避のため平日の9日に実施した。
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