《釣り》サーフのヒラメゲーム 最盛期、ポイントは無限 高萩・赤浜海岸 強烈アタリ

茨城新聞
2020年12月5日

近年、とても盛んになったサーフのヒラメゲーム。人気の理由は釣れる魚が外道を含めどれもおいしく食べられること。砂浜はどこもほぼ同じ条件なので、好ポイントの「場所取り」がないことも理由の一つ。南北に延びる茨城県海岸線のほとんどが砂浜で、ポイントは無限と言ってよい屈指のヒラメ県。11月中旬、シーズン最盛期のヒラメを高萩市の赤浜海岸で狙った。

午前5時すぎ、まだ周囲は暗く、海面の状況はよく見えないが、満潮の時間帯で波打ち際から40メートルくらい先まで白いサラシが効いて「だばだば」とした感じ。

この日は珍しく北東の風が吹いている。茨城のサーフでは弱めの北東は好条件だ。明るくなるまでローラー作戦でプラグを投げ歩く。やがて太陽が昇ると、海面が濃い青色になり生命感にあふれている。

昨日までの白っぽい海とは大違いで期待が膨らむ。そんな中、波の立ち方が異様なポイントを見つけた。砂底の地形に高低があると波も複雑になるのだ。海面は騒がしく波打ち、サラシで覆われていてシーバスも掛かってきそうな感じ。このポイントに絞ってプラグをどんどん投げストップ・アンド・ゴーで巻いてくるが全くアタリはない。

太陽が昇ると海面は青々として、生命力にあふれて見えた=高萩市赤浜

 

「チャンスあるかな?」と下げ潮が効いてくるまでじっくり投げに徹する。午前7時近くなるとぐっと海面が低くなった。ほんの数分で一気に引いた感じだ。「あっという間に下がったな」と独りごちながら足元に気を取られていると「がん!」と強烈なアタリ。下品に奪ったという感じだ。

獲物はなかなかの重量感で、風に逆らって流れる潮に乗り、浜に沿って走る。それを追い掛けるように波打ち際を移動しながら寄せてくると、隣の釣り人の所まで来てしまった。

寄せ波に乗せて砂の上にずり上げたのは55センチのヒラメ。尾ビレが砂をたたく「びたんびたん!」という音が肉厚さを感じる。

私はお土産主義。小さい魚と食べきれない量の魚はリリースするが、おいしい魚はいただく。カメラで手早く撮影を済ませ帰路に就いた。

茨城のサーフのヒラメシーズンは11月までといわれているが、近年の海水温上昇の影響なのか、昨年は年末まで好調に釣れた。今年もそうなるかは分からないが、お正月のタイが必要になるまでもう少し楽しませてもらいたいと思う。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)

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