マダイ釣りで303人競う 日立沖で大会
東日本大震災で被災した日立の水産業を盛り上げようと「震災復興第2回日立沖真鯛釣り大会」(日立沖釣り大会実行委員会主催)が12日、日立市久慈町の久慈漁港をメーン会場に開かれた。県内外から参加した303人が「三段引き」と呼ばれるマダイ特有の引きを楽しんだ。
釣り大会は、東京電力福島第1原発事故などに伴う風評被害の払拭(ふっしょく)と水産業の振興を図ろうと企画。釣り上げたマダイ1匹の重量で競ったほか、マダイ以外の魚の最重量に「大物賞」、女性限定の「レディース賞」など各賞も設けられた。
参加者は午前5時、市内の遊漁船25隻に分乗して日立沖に出発。針と重りが一体となった「一つテンヤ」と呼ばれる釣り方でエビを餌に大物を狙った。
同11時から検量が開始され、ポイントから戻った各船トップの本命マダイのほか、ブリなどが次々と岸壁に上げられた。
優勝したのは、第一釣友丸(若林正行船長)に乗船し、6・8キロの大物を釣り上げた水戸市梅香の加倉井英男さん(45)。加倉井さんは「最高の気分。今まで2キロの壁が超えられなかったので、大きいのを釣りたいと思っていた」と笑顔を見せた。
大会実行委員長の大貫茂雄さん(56)は「昨年より参加者が50人増えて盛り上がったが、まだ震災の影響は大きい。活気を取り戻すために、これからも続けていきたい」と話した。
このほか、海上保安庁茨城海上保安部が釣りでの事故事例を挙げながら、救命胴衣の整備や着用の重要性など、万が一の水の事故への備えを呼び掛けた。
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