竹林整備し特産「久慈川メンマ」 住民が商品化 常陸大宮・かわプラザで8日発売
常陸大宮市の久慈川沿い、久慈岡地区の住民らが竹林で収穫したタケノコをメンマに加工して商品化した。治水のため江戸時代に植栽が進んだが、近年は荒廃。住民らが整備に立ち上がり、5年にわたり竹の加工品開発に取り組んできた。メンマは8日に同市岩崎の道の駅常陸大宮「かわプラザ」で発売。新たな特産品として期待がかかる。
発売されたのは「久慈川たけのこ メンマ」。100グラム入り600円(税込み)で、1300袋を用意した。8、9日の両日は、道の駅に特設テントを設けて販売。今後は施設内レストランへの提供も考えている。
竹林は道の駅の下流約1.5キロ付近の久慈川両岸にあり、計約6ヘクタール。地区では江戸時代後期から氾濫に備え、築堤とともに竹の植栽が進められた。良質の真竹の産地として知られたが、時代の変化とともに建材などとしての需要が減り、荒廃が進んでいた。
道の駅開業を前にした2015年、周辺地区の住民らは「大賀地域活性化協議会」を結成し竹林の整備を始めた。昨秋の台風19号で久慈川が増水して地区が浸水被害に遭った時には、ボランティアの協力も得て竹林を清掃した。
タケノコは竹林を整備する中で収穫したもの。皮をむき、道の駅で冷凍保存した後、つくだ煮など手掛ける土浦市の食品加工業者「小松屋食品」に依頼してメンマを製造した。
協議会はこれまでも、竹炭や包装用竹皮、畑にまくチップ材化など、竹の利用を図ってきた。中心メンバーの一人、久慈岡地区の高安敏明区長(70)はメンマについて「大きさが特徴の中国産が主流になっているが、国産のものを味わってほしい。とにかくおいしさが絶品」とアピール。同副区長で竹林を管理する久慈岡共有竹林組合委員長の高安千里さん(70)は「竹林の美しい景観を守りながら、地域資源として活用できるようにしたい」と意欲を示す。
道の駅の大山博文駅長は「竹林整備から生まれた地域産メンマはそのストーリーも含めて紹介しながら、目玉にしていきたい」と期待を寄せた。
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