空き店舗、パン工房に 常陸多賀駅前 9日オープン

茨城新聞
2016年7月7日

 日立市のJR常陸多賀駅前商店街にある築80年の空き店舗が9日、パン製造販売店「森のパン工房」(同市千石町)として生まれ代わる。同市内の空き店舗を県や市が創業支援施設(マイクロクリエイションオフィス)に改装し、格安家賃で貸し出すプロジェクトの支援を受けた。
 森のパン工房が店舗を開くのは1935(昭和10)年に建築された木造2階建ての建物。かつてはアイスキャンディーの「かどや」として、地域に親しまれたが、2014年4月に閉店した。
 店舗は3部屋あったかどやの1部屋(約53平方メートル)を「森のパン工房」が家賃4万円で使用する。
 今回、初めて店を経営する森基至店長(40)は「まずはみんなに知ってもらいたい。県産の小麦粉や奥久慈卵を使っているが、市内で生産された果物なども使って地元感のあるお店にしていきたい」と意欲を見せている。
 開店を控えた5日、森店長は、お披露目に商店街の住民を招いて150個のパンを無料で配布した。
 施設の入居期間は2年。更新も可能だが、市は「ここで経営のノウハウを学び、将来的には『店をやるには手狭』となるのが理想。創業をきっかけに、ここから大きく羽ばたいていってほしい」としている。
 同店は常陸多賀駅から徒歩1分で、午前7時から午後7時まで営業する(9日は午前10時から)。
 他の2部屋は、音楽・デジタルコンテンツ・イベントプロモーションなどを行う2社が一部屋に入居し事業を開始したほか、8月上旬には「Cafe Cream」が開店する予定。
 同市は商店街の活性化や雇用創出を狙いに、創業希望者または創業5年未満の個人や企業、県北地域以外からの進出企業を対象に15年11月から入居者を募集。県と市が建物の改装費用を半分ずつ出し、創業支援施設として整備した。開業に必要な備品などの購入資金として、県は事務所開設・運営事業補助金として100万円を上限に補助、さらに市が50万円を限度に上乗せするなどバックアップ態勢を充実している。

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