天心のコーヒー“再現” 茨城大、土産品づくり開始

茨城新聞
2016年7月3日

茨城大学(水戸市文京)は、北茨城市にゆかりのある美術思想家・岡倉天心の思いや業績、五浦の自然景観美などを取り入れた新たな土産品づくりをスタートさせた。第一弾として、天心がボストンで飲んだアメリカンコーヒーの味をサザコーヒー(ひたちなか市共栄町)が再現し、商品化を目指していく。完成品は9月3、4日に開催する「茨城大学・国際岡倉天心シンポジウム2016」でお披露目と販売を開始するほか、珈琲茶席(旧天心邸・4日)で参加者に振る舞われる予定だ。

同大学の地域ブランディング事業の一環で、2月ごろから関係者らが商品開発へ試行錯誤を重ねてきた。その結果、天心がボストンに滞在した1904年から13年の間にアメリカンコーヒーが誕生し、天心が友人にコーヒー器具を贈ったというストーリー性があることや、気軽に観光客が持ち帰ることができるものとして、カップの上にコーヒーパックを直接乗せてお湯を注ぐ形式のカップオンコーヒーに落ち着いた。

6月26日に旧天心邸(北茨城市大津町五浦)で行われた勉強会には、茨城大の関係者や学生、パッケージデザインを担当する筑波大学の原忠信准教授や学生、サザコーヒー会長の鈴木誉志男さんら24人が出席。鈴木さんはさまざまなデータに基づきながら、天心が飲んだコーヒーの味を推測し、ブラジル産コーヒー豆7割、コロンビア産コーヒー豆3割で配合したアメリカンコーヒーを参加者に試飲提供した。今後、改良を重ね「日本人に好まれる日本流のコーヒーに仕上げていく」(鈴木さん)という。

勉強会ではこのほか、広報や演出の仕方、販売場所などについて打ち合わせをしたほか、それぞれの役割分担などを確認。同大は「今回の貴重な意見を学生たちが持ち帰り、早速、できることから実行していきたい」とし、五浦の特色や天心にちなんだメッセージ性のある土産品づくりを今後も続けていく方針だ。

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