「日立紅寒桜」ほころぶ 3月上旬ごろ満開

茨城新聞
2020年1月22日

日立市固有のサクラ「日立紅寒桜」が市内で開花し始めた。極早咲きの品種で、ポツリポツリと咲くことから、3月上旬ごろに満開を迎える。

同市宮田町5丁目のかみね公園頂上駐車場ロータリーの日立紅寒桜は数輪が淡い紅色の花を開かせている。市さくら課によると、開花が確認されたのは17日。昨年に比べ9日遅く、同課は「サクラの開花には寒さが欠かせないが、暖かかったために時期がやや遅くなったのかもしれない」としている。

日立紅寒桜は、1960年代後半にJR小木津駅前に植えられたサクラの1本が1月中旬に咲き始めたことから、地域住民が研究する一方で保存に取り組み、研究機関で第2世代が誕生した。2001年に市民公募で命名され、06年に農林水産省から新品種として登録認定された。

市内にはかみね公園をはじめ、日高交流センターや多賀市民プラザ、JR日立駅前などに計278本が植栽されている。市さくらのまちづくり市民会議が維持管理ができる団体・法人に苗木を無償で譲渡しており、市外の行政機関にも計50本が植えられている。

日立紅寒桜は、短期間で一気に咲き誇るソメイヨシノとは異なり、少しずつ開花し、花が比較的長持ちするのが特徴。同課の湯田健一課長は「今は咲き始め。一日一日と咲いていくのを見ながら、春の訪れを感じてほしい」と話している。

市内では平和通りのソメイヨシノを中心に、煙害からの克服を象徴するオオシマザクラやヤマザクラなど多様なサクラが楽しめる。 

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