特産守る夏の音 かんぴょうむき作業が本格化 下野の農家
下野新聞
2019年7月10日
本県特産のかんぴょうの県内一の生産地下野市で、夏の風物詩「かんぴょうむき」の作業が本格化している。かんぴょう農家では、未明から原材料ユウガオの実「ふくべ」を削る音が響いている。
同市中大領の下野市かんぴょう生産者連絡協議会の池田榮(いけださかえ)会長(69)方では9日午前2時すぎから、作業が始まった。1玉7~8キロ、直径30センチほどのふくべの中心に棒を刺して機械にセット。回転するふくべにかんなを当てると、帯状に削り出された実が飛び出していく。
ふくべの帯の長さは約2メートル。これを妻のフクエさん(67)が手際よく集め、ビニールハウスに干していく。乾燥は2~3日ほどで、池田さん方では、漂白したものと自然の色のものの2種類を作っている。
今年は雨が多く、日照不足のためか生育が遅れ気味という。池田さんは「もう少し照ってくれれば、成り花が実を付けてくれるのですが」と天候を気にしていた。作業は、9月上旬まで続く。