産地ならでは 本物の味 にぎわう市内観光農園 来園者、完熟の甘さ堪能 生産量日本一「イチゴ王国」

下野新聞
2019年1月15日

 【真岡】生産量日本一の市でイチゴ狩りが本格化し、上大田和のJAはが野井頭観光いちご園は12日も多くの家族連れでにぎわった。生産者は「質も日本一」を肝に銘じ、日々品質向上に励む。訪れた人は夢中になって口に運び、産地ならではの濃厚なイチゴを堪能した。5月中旬まで楽しめる。

 市内には7カ所の観光イチゴ園があり、イチゴ狩りや直売が行われている。同園には多い日で約1千人の観光客が訪れる。

 「少しでも作業をおろそかにすると来てもらえない」と話すのは、井頭観光いちご園にビニールハウスを持つ農園の一つ「すとろべりーファームおおつか」代表の下籠谷(しもこもりや)、農業大塚貴久(おおつかたかひさ)さん(38)。「本物の甘さを味わってほしい」と胸を張るイチゴだけに、生育には決して手を抜かない。

 一般に流通するイチゴは、熟していない白い部分が残ったまま出荷。その後、色は赤くなるが甘さは出荷時と変わらない。だが観光園のイチゴは完熟した状態のイチゴが味わえるため、「甘さは格段に違う」という。また、寒さが厳しい今の時季は熟すまで時間がかかり、実がなっている期間が長い分甘くなるという。

 イチゴ狩りに訪れた宇都宮市御幸ケ原町、主婦熊谷真由実(くまがいまゆみ)さん(35)は「へたが反り返るくらい熟していて、味が凝縮している」と帰り際も名残惜しそう。長女の桃花(ももか)ちゃん(5)は「大きいのを見つけた」とうれしそうに頬張っていた。

 親子3世代で訪れた同市上戸祭町秋元静男(あきもとしずお)さん(65)は「年に一度、ここで食べるイチゴが一番」と笑顔。妻恵(めぐみ)さん(64)は「孫たちにとっては目の高さにイチゴが並んでいて夢のようだと思う」と話した。

 時間無制限の食べ放題。小学生以上1500円、3歳以上小学生未満1300円。(問)井頭フレッシュ直売所0285・81・1141。