農家直売所「山田」、1周年の感謝込めて 茨城・常陸太田  16日から3日間抽選会

茨城新聞
2022年7月15日

茨城県常陸太田市松平町の農家直売所「山田」が16日にオープン1周年を迎える。JA常陸が運営していた農産物直売所の閉店で、買い物に困っていた地域住民の声に応え、旧直売所に出荷していた農家が組合を立ち上げ、手弁当で運営を続ける。1年間で組合員数も増え、「新鮮で安い」と客足も伸ばしている。1周年の感謝の気持ちを込めて16~18日の3日間、抽選会を企画している。

JA常陸の水府農産物直売所が昨年1月末で閉店。周囲には商店が少なく、旧直売所に出荷していた農家23人が、「農家直売所『山田』利用組合」(天下井孝之組合長)を設立し、旧直売所の建物の一部を利用して野菜などの販売を始めた。

現在の組合員数は40人に増え、季節ごとの野菜に加え、ゴボウや卵、切り花、こんにゃくなどが常時店頭に並び、生うどんも置くようになった。今春にはタケノコやワラビ、フキ、梅などが売り上げに貢献した。

経費節減と低価格販売を図るため、生産者自ら販売員を務め、レジ打ちも慣れてきた。買い物客との会話も増え、商品の説明やおいしい食べ方のアドバイスをするなどして顔なじみの客も増え、今月中にも来客2万人を達成しようとしている。

抽選会は季節に合った賞品を用意。期間中に千円以上のお買い上げで抽選に参加してもらい、サーキュレーターや花火、蚊取り線香、同直売所の買い物券などが当たる。

天下井組合長は「生産者がそれぞれによい物を出したいという努力の結果が、運営の安定につながっている。直売所を再開できてよかったと思っているし、買い物客にも喜んでもらっている。年間を通し、幅広い品ぞろえに向け頑張りたい」と話した。

今後は種苗会社の視察や、この地域に合う産物の研修会などを実施していきたいという。

農家直売所「山田」の営業は午前9時~午後4時。定休は水曜日。