古民家で新たな憩いを 壬生・江戸期から続く大場邸 2度の浸水被害 改修し景観保存 交流やロケ、活用期待

下野新聞
2020年5月26日

 【壬生】江戸時代から続く上稲葉の大場家の古民家が改修され、地域の憩いの場や交流拠点、映画のロケ地などとしての活用が期待されている。大場家は天保年間(1831~45年)から記録が残る旧家。古民家は2015年9月の関東東北豪雨、19年10月の台風19号の被害を受けたが改修した。

 大場家は、現当主の大場一輝(おおばかずてる)さん(78)が8代目に当たるという。壬生町史には、4代前の大場市左衛門(おおばいちざえもん)が、明治10年代に旧壬生藩主の鳥居家が運営していた製茶工場の茶畑を買い取ったという記述が残る。

 改修した住宅は、江戸時代に建てられたと伝わる主屋が約660平方メートル、1937年に増築した書院造りの建物が約150平方メートル。両邸ともヒノキやケヤキの大木が使われ、書院造りは当時の建築雑誌に取り上げられている。

 大場邸は2度の浸水被害を受けたが、床板や畳を張り替え、トイレを整備するなどして改修した。旧吹上藩から買い取ったと伝わる門もあり、見学に来る人も少なくないという。

 現在は、大場さんが特別顧問を務める茨城県結城市の城西病院グループの「ショートステイみぶの杜(もり)」の利用者の癒やしの場として使われる。大場さんは「各種のイベントやフィルムコミッションなどに利用してもらい、地域の活性化に役立ててもらえれば」と話している。

 見学には事前の電話予約が必要。(問)ショートステイみぶの杜0282・82・0077。

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