郷土の偉人、多角的に紹介 宇都宮市南図書館「荒井退造」展 ドラマ上映や講演会も
【宇都宮】太平洋戦争末期の沖縄県警察部長で、多くの島民を疎開させ、命を救った市出身の荒井退造(あらいたいぞう)を紹介する企画展「宇都宮の偉人『荒井退造』に迫る」が3日、市南図書館で始まった。30日まで。荒井の業績と昨年から始まった顕彰事業の内容などを資料、写真、地図にまとめ荒井の生きざまを追った。ドラマ上映会、講演会も予定し、多角的に紹介する。
荒井は1900(明治33)年、現在の上籠谷町に生まれた。企画展では、警視庁巡査になった後、刻苦勉励し沖縄県警察部長に就任、太平洋末期に多くの県民を疎開させたことを紹介している。当時の県庁・警察部壕(ごう)のガマ内の略図と現在の写真を対比させ、見学者の理解を深める工夫をしている。
清原南小ジュニアバレーボールクラブが同県糸満市を訪れた交流風景の写真や同校児童が書いた作文を展示している。荒井の業績など紹介するオリジナル漫画を作った真岡工業高が沖縄への修学旅行で、平和の象徴とされるチョウのオオゴマダラを放チョウした時の写真も並べた。
ドラマ上映会「生きろ~戦場に残した伝言」は5日午後1時半から、同館サザンクロスホールで開く。講演会「たじろがず沖縄に殉じた荒井退造」は27日午前10時半から、同館会議室で行う。元黒羽高校長の室井光(むろいひかる)さんが講師を務める。
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