《食いこ》気軽に楽しめる本場の味 イルネッソ ピッツァナポレターナ(守谷市) ふんわり、もっちり

茨城新聞
2021年6月13日

まき窯で焼いた「ナポリピッツァ」が味わえる茨城県守谷市の「イルネッソ ピッツァナポレターナ」。住宅街の一角にある同店は、本場の味が楽しめるとファンが多く、県外からわざわざ食べに訪れる人もいるほど。オーナーでピッツァ職人の安藤有希さん(36)は「ナポリピッツァを気軽に食べられるお店として知ってもらいたい」と話す。

安藤さんとナポリピッツァとの出合いは、料理人2年目の時。調理の専門学校を経て就職した都内のイタリア料理店で、提供していたことがきっかけだった。「おいしさに衝撃を受けた」と安藤さん。気温や湿度など、季節によって発酵度合いが変化する生地作りにも魅了され、ピッツァ職人の道に進んだ。

専門店で腕を磨いたのち、2014年に「イルネッソ」を妻の由子さん(37)とともにオープンさせた。「現地の味と同じものが提供できるように」と、小麦粉は香り豊かなイタリア産を使用。トマト缶やモッツァレラチーズ、塩もイタリアから取り寄せ、再現性を求めた。一方で、野菜やデザートに使うヨーグルトは県内産。県外の客も多いことから「ピッツァと一緒に、茨城産のおいしいものを味わってほしい」と思いを込める。

季節の野菜をふんだんに使った前菜の盛り合わせ

 

こだわりは「生地にストレスをかけないこと」。触れる時間を最小限にし、手早く延ばすことで、ふんわりと焼き上がり、もっちりと弾力のある食感になるという。「同じ材料を使っていても、作る人が違うと全然違うピッツァができる」と安藤さん。独立前から安藤さんのピッツァにほれ込んだ常連客が今も足しげく通うゆえんだ。

19年には、ナポリピッツァをアレンジし、独創性と技術の両方が問われる「カプート杯ナポリピッツァ職人世界選手権日本大会クラシカ部門」で優勝。5回目の挑戦で悲願がかなった。「いいものを提供したい」とピッツァ作りに真摯(しんし)に向き合う姿勢が結果を引き寄せた。

店名の「イルネッソ」は、イタリア語で“つながり”の意味。「ピッツァを通して、お客さんとイタリア、県内の生産者さんをつなげたい」。安藤さんの職人らしい精悍(せいかん)な顔に笑顔が広がった。

お出かけ情報
イルネッソ ピッツァナポレターナ
▼住所は守谷市久保ケ丘1の18の12
▼営業時間は午前11時~午後2時半(月-土曜)、午後6~9時(水-土曜)
▼定休は日曜・不定休
▼(電)0297(44)8911

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